日本拳法概説
- 2026/10/01 17:39
- カテゴリー:日本拳法とは
日本拳法は、故・澤山宗海宗家が昭和7年(1932年)に、日本で初めて防具着装による実戦の拳法を創始されたことに、その歴史を発しています。
防具を着装することにより、安全かつ自由に、突く・打つ・蹴るなどの当身技や、投技・逆技などの組み技を相対して仕掛け合うことのできる「総合徒手格闘競技」です。自衛隊の徒手格闘術(現・自衛隊拳法)や、警察の逮捕術の原型ともなっています。
現在の日本拳法競技では、三本勝負法によって勝敗を決します。二本を先取するか、一本を先取して試合時間が終了した場合に勝ちとなります。三本勝負で二本を取り切るところに、総合的な実力が求められます。
一本は、防具の正しい部位、すなわち面金部や表胴部などに正確な打撃が加えられ、その技が正しい技形と十分な速度・撃力を備えている場合に認められます。防具がなければ相手を倒し、戦闘不能にするほどの打撃と考えていただくと分かりやすいでしょう。
この認定は公平を期すため、3人の審判員のうち2人以上の認定を必要とし、審判員の意思表示は旗によって示されます。
また、日本拳法には「組打ち」と呼ばれる攻防があります。相手を組んで倒し、これを制したうえで打撃を加えることで一本となります。相手の身体が床面に接している状態での打撃は危険性が高いため、寸止めまたは軽打によって一本と認定されます。柔道とは異なり、相手を投げただけでは一本とはなりません。
組打ちでは、肩・肘・手首に対する関節逆捕り技も認められています。相手を持ち上げて地面に叩きつける技は、実戦を想定すれば有効な技ですが、競技では危険なため、相手を肩の高さまで持ち上げることで一本とする技もあります。
日本拳法では、防具を正しく着装し、万全の状態で試合に臨むことも、選手の重要な責任です。防具のひもがほどけるなどして防具が外れた場合には、「防具脱落」として反則となり、相手選手に一本が与えられます。特に、面が完全に脱落した場合には、失格となります。
かつて、真剣を手に生死をかけて戦った武士にとって、甲冑を身につける際の不備は、すなわち命に関わるものでした。防具を身につけることは、単に安全のための準備ではなく、戦いに臨む者としての心構えそのものです。
一方、選手の安全性と公平性を保つため、反則も厳格に定められています。面・胴などの防具着装部以外への打撃や股間部への加撃、危険な逆捕り技、相手を頭から落とす行為、防具をつかんで技を仕掛ける行為などは反則となります。また、両足が試合場外に出れば、これも反則となります。
格闘技であっても、日本拳法は「競技」であり「武道」です。相手を痛めつけることを目的とするものではなく、互いに全力で競い合う中で、自らを鍛え、相手とともに成長していくことを大切にしています。
そのため、競技の始めと終わりには、必ず互いに礼をし、相手の健闘を称えます。「礼に始まり、礼に終わる」。この礼の精神を大切にすることも、日本拳法の大きな特徴です。
皆さまには、選手たちの熱い攻防とともに、日本拳法が大切にする「礼」と「心」にも注目していただき、温かいご声援をお願いいたします。
(愛媛県連盟創設20周年記念 第20回愛媛県大会プログラム「日本拳法概説」より引用)


